購入したばかりの海水魚が餌を食べてくれない……。
そんな時、心配になりますよね。
実は、購入直後の海水魚が餌を食べてくれないことはよくあることなのです。
餌を食べてくれないときは、次の3つのポイントを確認してみましょう!
ポイント1 冷凍餌を試してみよう
人工飼料を与えても与えても食べてくれないときは、まずは冷凍餌を与えてみましょう。
魚の口のサイズに合わせて、コペポーダやホワイトシュリンプ(イサザアミ)、アサリを与えるのが一般的には有効とされています。
口の小さい魚にはコペポーダやホワイトシュリンプを、大きい魚にはアサリを刻んで与えるとよいでしょう。




ポイント2 嗜好性を高めてみよう
冷凍餌を与えても食べてくれないときは、嗜好性を高める液剤に漬け込んで、うま味をアップをさせてみましょう!
使い方は簡単で、ポイント1で紹介した餌をこの液に浸して解凍させるだけです。
嗜好性を高める液剤の多くには、釣り用の誘引剤をベースとした配合で作られているものもあります。
より高い確率で食いついてくれるでしょう!



ポイント3 活き餌を与えてみよう
冷凍餌を試してダメ、嗜好性を高める液剤でうま味をアップさせてもダメ。
そんな時は、最後の手段。活き餌が有効です。
海水魚は自然下では、当然のように活きている餌を食べています。
動いているからこそ、その動きに反応して食欲を刺激します。
動きがあることが、活き餌の最大のメリットです。


3つとも試してダメなとき
冷凍餌、嗜好性、活き餌の3つを試してどれも食べてくれないとき。
そんな時は、きっと食べてくれない原因があるはずです。
次のポイントを確認してみましょう。
環境に慣れていないかも?
到着したばかりの海水魚は、そもそも水槽という新しい環境に慣れていません。
このため環境に慣れるまでの間、餌を口にしないことがあります。
この場合は2~3日程度様子を見てから与えると、食べてくれることがあります。
多くの海水魚は、1週間程度までは餌を食べなくても平気です。
目安として4cm程度のカクレクマノミなら、1週間程度は絶食しても耐えられます。
それよりも大きい魚はさらに耐えられる期間が長いです。
1週間を超えても餌を食べない場合は、適切な飼育環境ができあがっていない可能性を疑いましょう。
あまり絶食期間が長いと、状態を崩しやすくなります。
状態を崩しているかも?
外見に異常がないのに1週間を超えて餌を食べない場合は、状態を崩しているかもしれません。
餌を食べないために状態を崩す場合もあれば、状態を崩したために餌を食べなくなることもあります。
体表には症状が現れにくい病気にかかっている可能性もあります。
また、状態を崩す原因として適切な飼育環境ができあがっていない水槽に入れてしまった可能性もあります。
活き餌を与えても1週間以上口にしない場合、かなり深刻な状態の可能性が高いです。
状況によっては、魚病薬などで治療が必要になる場合もあります。
海水魚の病気の治療はとても難易度が高く、有効な薬品が入手しづらいケースも多いです。
新しい魚を水槽に迎える場合は、適切な飼育環境ができあがってから迎えることが重要です。
混泳の相性が悪いかも?
もともと臆病な魚種やいじめられている個体は、混泳により強いストレスを受けて食欲が落ちている場合があります。
このような場合は隔離して、餌付けできてから再度混泳を試みることがおすすめです。
隔離の際は、いじめられている弱い個体を隔離するよりは、ストレスを与える原因になっている強い個体を隔離するほうがうまくいくことが多いです。
逆に混泳させることにより餌付けがうまくいくこともあります。
人工飼料に餌付いている魚が水槽にいると、その魚が餌を食べているのを見て、つられて食べるようになることがあります。
群泳する種や臆病な種は、同種と混泳しているほうが餌付けやすい傾向にあります。
餌の種類が違うかも?
海水魚は種類によって食性が異なります。
ほとんどの魚はここで紹介した餌のいずれかは食べてくれることが多いですが、魚種によっては特定の餌しか食べてくれないものもいます。
そもそも餌の選択が適切でなければ、海水魚は餌を口にしてくれません。
例えば「ナンヨウハギ」は、植物食寄りの雑食性です。
ここまでに紹介したような動物質の餌よりも、ウミブドウのような海藻類・植物質の餌を好む傾向があります。
なかなか餌を食べてくれないときは、飼育している魚が自然の海では何を食べているかを調べて、それを与えてみると良いでしょう。
時として、スーパーの鮮魚コーナーに目を向けると、解決の糸口が見つかることもあります。

立派な選択肢の一つです。
海水魚は意外とワガママ
「海水魚の餌の好み」について、少し掘り下げてみましょう。
海水魚は淡水魚に比べて「餌の選り好み」をする性質が強く、さらに「個体の性格」によるばらつきも大きい傾向があります。
個体の性格による差は意外と大きいです。
一般的には人工飼料にすぐ慣れるとされる種類でも、なかなか食べてくれない個体もいます。
逆に、人工飼料には慣れにくいとされる種類でも、すぐに食べてくれる個体もいます。
お店にいるときは食べていても、水槽が変わった途端に好みが変わる個体もいます。
……ということもあって、海水魚の餌に関するトラブルにおいて「こうすれば解決する!」という絶対的な正解は、残念ながらありません。
いろいろ試してみるしかないのです。
餌の選り好みが少ない魚
最初のうちは「人工飼料に慣れやすい」とされる魚種から飼育してみると、餌に関するトラブルが起こりにくいです。
スズメダイやハタタテハゼなどの遊泳性のハゼの仲間。
マンジュウイシモチなどのイシモチの仲間は比較的トラブルが起こりにくいです。
人気のカクレクマノミも比較的餌の選り好みが少ないです。
これらの魚種は、いきなり人工飼料を与えてもすぐに食べてくれることが多いでしょう。





餌の選り好みが多い魚
人気の高い魚種の中には、一般的な人工飼料にはなかなか慣れにくい種もいます。
一部ピックアップして、対処法を合わせて紹介します。
人工飼料を餌と認識しない、肉食性の強い雑食魚
ヤッコ・チョウチョウウオの仲間や、フグの仲間。
これらの魚種は人工飼料を最初は餌と認識しづらいようです。
いきなりは慣れにくいので、これらの魚種にはホワイトシュリンプか、冷凍アサリをカットして与えると良い結果が得られやすいです。
まずはホワイトシュリンプなどを食べるようになったか確認し、確認が取れたら徐々に人工飼料に切り替えていくと良いでしょう。



活きた餌にしか反応しない完全な肉食魚
カエルアンコウやミノカサゴをはじめとしたカサゴの仲間、ハナヒゲウツボなどのウツボの仲間。
このグループの魚は基本的に生きた餌にしか反応しません。
このため、人工飼料に餌付けるのはかなり難しいです。
また、このグループは個体の性格による選り好みもあります。
口に入るサイズの生物を、いろいろ試してみるのが良いでしょう。
一般に、活きたエビや小魚を与えると良い結果が得られることが多いです。

草食性の強い魚
ナンヨウハギをはじめとしたハギの仲間。
ナンヨウハギをはじめとしたハギの仲間は、一般的に藻食傾向が強いです。
人工飼料を餌と認識できない個体の場合、甲殻類や貝類よりも海藻類のほうが有効です。
また人工飼料を与える場合でも、草食魚向けに専用配合された製品があります。
わかりやすく言えばベジタリアンのような食性を持っているので、海藻や野菜素材を多く含む餌を与えましょう。



とても小さい餌を要求する魚
チンアナゴ、マンダリンなどスクーターブレニー、タツノオトシゴやヨウジウオの仲間。
これらの魚種は口が非常に小さいグループです。
このような魚種にはホワイトシュリンプや、ブラインシュリンプの幼生をふ化させて与えるのが有効な場合が多いです。
移動力があまり強くないので、スポイトで口元に吹きかけてると良い結果が得られやすいです。
またこれらの魚種は神経質な性格をしていることも多く、他の魚がいるとストレスにより拒食を引きおこしやすいようです。
なるべく広い水槽で飼育するか、他魚種とは混泳させず単独で飼育すると良いでしょう。






魚が餌を食べないときにやること まとめ
▼主要な魚種グループごとの有効な餌な種類や基本的な飼育環境については、以下の記事にさらに詳しくまとめられています。
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